ツイッターにあげたやつを少しだけ手直ししたもの。たぶん新婚さん。
お仕事帰りの夜の道。
空は真っ黒で、その中にいくつもの綺麗な星々が輝いている。
まさかここまで夜遅くになってしまうとは。
シグには夕方前に帰る予定だと伝えていたのでだいぶ待たせてしまったことになる。
今頃どうしているのだろう。家事とかちゃんとできてるかな。
ううん、それは別に構わない。それよりも一人で寂しがってなければ良いのだけれど……
あまり心配させたくもない。そう思ううちにあたしの歩調は無意識のうちに加速していた。
急いで家のドアを開けると、微かな良い匂い。
リビングに足を踏み入れてみると、机でシグが突っ伏していた。
服が普段着のままだ。お風呂にも入らず待っていてくれたのだろうか。
そして反対側には一人ぶんのシチュー。
いっぱい待たせちゃってごめんね、と心の中でお詫びしながら、
すっかり冷えたそれを口に入れる。
具の切り方こそ粗雑だけど丁寧に作られていて、
煮加減も硬すぎず崩れすぎずで美味しい。
きっと、あたしのためにとっても頑張ってくれたんだ。
「美味しかったよ」と告げると、
眠っていたはずのキミは急にむくりと顔を上げて、「そうか、」と嬉しげに笑った。
「ただいま、シグ」
「おかえり、アミティ」
おしまい