注意:この前シリアスで本気出したシグアミを書いたから、
今回はほのぼのにするつもりだったんだけど、
なぜかまたシリアスな恋愛になってしまった。どうした自分。
そして5000文字でおさまらなかったので、前編と後編にわけちゃいました。
今回はいたって健全。過去で一番健全なのでご安心を。
つまり甘さはそこまで期待しないほうがいいってことでもある。
甘甘なのは5月23日くらいに書くから、勘弁してください。
5月5日 AM 7:30 プリンプタウン
5/5。この日は何の日か、
そう聞かれたら、大体の人はこどもの日、そう答えるに違いない。
しかし、今日はそれよりも大事なことがある日だ。
それは、そう。アミティの誕生日。
彼女はそのせいかいつもより上機嫌だった。まあ当然のことだが。
アミティ「リデル!おはよう!
リデル「あ、おはようございます。アミさん。
どこへ行こうとしてるんですか?
アミティ「うーん、ただの散歩かな。
スカートを履くのが久しぶりだから、いまのうちに履きなれておいたほうがいいなって。
そういいながらアミティは赤いひらひらしたスカートを見せた。
リデル「ところで、赤ぷよ帽はどこへ?
アミティ「今日は特別な日だから、赤ぷよ帽は外しておくの!
リデル「特別な日・・・!
あ、そうだった・・・
リデルは何かを思い出したのか、ポケットから小包を出した。
リデル「アミさん。お誕生日、おめでとうございます。
アミティ「ありがとう!リデル。
これはなに?
リデル「ピンクの髪留めです。ごめんなさい、何をあげればいいのかわからなくて・・・
アミティ「ううん、とっても嬉しいよ!
リデル「良かったです。
それでシグ君を驚かせてください。きっと喜んでくれますよ。
アミティ「そうだね!サンキュー!
またね、リデル!
リデル「良い一日をー!
AM 8:00 シグの家
アミティ「シグー!遊びに来たよー!
アミティはシグの家の扉を叩いたが、返事は返ってこなかった。
アミティ「・・・入るよ!
アミティは合鍵で強引に侵入した。
アミティ「シグー!どこー?
アミティがどこを探しても、シグは居なかった。
アミティ「おかしいなぁ。
いつものシグだと休みの日ならぐっすり寝てる時間なのに・・・
もうお出かけに行ってきてるのかな。
アミティはシグの家を後にした。
AM 9:00
アミティ「はぁ・・・シグいないなあ・・・・
ラフィーナ「あら、アミティさん。
アミティ「ラフィーナ!
ラフィーナ「どうしましたの?その服装。
スカートを履くなんて、貴方らしくありませんわね。
アミティ「今日は特別な日だからね。
アミティは笑って答えた。
確かに、休みが増えるのは嬉しいことですわ。
アミティ「そうじゃなくて!5月5日って、他に何か覚えてないの!?
ラフィーナ「特に何も・・・
アミティ「・・・はぁ。
アミティはため息をついた。
ラフィーナ「なにか問題でもありまして?
アミティ「ラフィーナは覚えてないんだね。
・・・今日はあたしの誕生日。
ラフィーナ「ごめんなさい 忘れてましたわ
アミティ「・・・
ラフィーナ「・・・なんか、本当にごめんなさい
アミティは親友に誕生日を覚えてもらえなかったのが悲しかったのか、しょんぼりした。
ラフィーナにホンキで謝られてはっとしたアミティは、聞きたいことを急に思い出した。
アミティ「・・・あ、ところで、シグは見かけなかった?
ラフィーナ「ああ、シグね。
今朝の5時ごろ、格闘技の練習をしてたら
虫取り網を持ったシグが森へ走っていくのを見かけましたわ。
アミティ「(早起きだなぁ・・)
・・・ありがとう!行ってくる!
ラフィーナ「お気をつけなさいな!
アミティは駆けていった。
アミティ「そっかぁ・・・シグは虫取りしてるんだね・・・・
アミティはしばらく走った後、走るのをやめ、ゆっくり歩きながらそう呟いた。
アミティ「いつもどおり・・・か・・・・・
アミティはシグがいつもどおりだと思うと、急に不安になった。
アミティ「シグは・・・・あたしの誕生日、忘れちゃったのかな・・・・
彼女の胸に、締め付けられたような衝撃が走り、瞳に涙が溜まる。
アミティ「そんなの・・・嫌だよ・・・
きっとシグだけは・・・あたしの誕生日、覚えてくれてるよね?
アミティは重い足取りで、シグが居るであろうナーエの森へ向かった。
AM10:27 ナーエの森
アミティ「・・・!
アミティは森に入ってすぐ、シグを見つけた。
けれど・・・・
シグ「・・・待って。蝶・・・
シグはいつもどおり、昆虫を追いかけていた。なぜか真剣な表情で。
アミティは悲して、悔しくて裏切られたような感触がしてたまらなかった。
シグ「・・・よし。これだけ居れば・・・あ。
シグは蝶を捕まえた後、アミティに気づいた。
シグ「アミティ。
アミティ「・・・・
アミティは両手に拳を握って、顔が見えないように下を向いていた。
シグ「どうしたの?下を向い
アミティ「馬鹿ァっ!
バシッ
シグ「うっ
シグがアミティの様子を見ようとした瞬間、
アミティは森全体に響くような大声で怒鳴って、全力でシグの頬を平手打ちした。
シグ「アミティ・・・?
アミティ「あたし・・・シグだけは信じてたのに・・・!
シグなんか・・・シグなんかっ!!
アミティは感情を爆発させ、両目から涙をぽろぽろ流し、シグから逃げるように走っていった。
シグ「・・・
シグには信じられなかった。
アミティはいつも優しく、明るかったから、本気で怒った彼女を見たことがなかったのだ。
シグ「・・・すぐに追いかけなきゃ
シグはアミティの気持ちをすぐに理解し、アミティを追いかけ始めた。
後編へ続く