明け空の展望台

ヤフブロより移転。ぷよの二次創作ゲームを作る者です。よろしくお願いいたします。

endless nightmare 4 ぷよ

注意:
また視点がシグに戻ります。それだけ。
 
 
 

 
 
 
 
 
・・・ここは・・?
 
 
僕は倒れていた。
 
 
起き上がってみると、すぐに居場所がわかる。
 
 
ここはプリンプ魔導学校の保健室。
 
 
バタンッ
 
 
 
「シグ?」
 
 
女の子が一人入ってきた。
 
 
・・・誰?
 
 
「キミは?」
 
 
「え、・・・アミティだよ・・」
 
 
・・はて、アミティ?
 
 
「アミティ?」
 
 
「キミは・・本当にシグ?」
 
 
「うん」
 
 
「でも・・・・体が黒いよ・・・?」
 
 
「えっ?」
 
 
 
黒い・・・?
 
 
言われて初めて気づいた。確かに自分の体は黒く染まってる。
 
 
どうしてだろう、自分の名前、能力はわかるのに・・・
 
 
 
 
この子がだれだかワカラナイ。
 
 
他のことも思い出せない。
 
 
 
 
「ね、ねえ」
 
 
「なに?」
 
 
「あれ・・・シグがやったの?」
 
 
アミティ、と名乗る子が指差した方向にあるのは、窓。
 
 
「先生はシグがやったって・・・」
 
 
その向こうには、倒れてる人々、崩壊した建物、瓦礫の山。そんなものばかり。
 
 
「嘘だよね?シグじゃないんだよね?」
 
 
 
普通は「そんなことするわけがない」、そういうだろう。
 
 
でも、口にした言葉は・・・
 
 
 
「うん、やった」
 
 
「・・・え?」
 
 
「やったよ」
 
 
「・・・そんな・・」
 
 
 
やったものは、やった。どういうことかそれは記憶していた。
 
 
 
「・・・嘘だっ!シグは・・・こんな酷いことっ!」
 
 
やったって言ってるじゃん・・
 
 
それは、いけないことなの?
 
 
ラフィーナも、クルークも・・・・リデルも・・・・っ!!」
 
 
ラフィーナ?クルーク?リデル?
 
 
「誰?」
 
 
「わからないの・・・?」
 
 
「うん。それに・・・それって、いけないことなの?」
 
 
「・・・?」
 
 
「やったんだもん。ダメだった?」
 
 
「何・・・言ってるの・・・?」
 
 
その女の子の目には涙が溜まってる。どうして・・・?
 
 
「いいじゃん。べつに。」
 
 
「・・・」
 
 
 
歯止めがきかなくなってきた。
 
 
 
「コわしたかったんだから」
 
 
すると突然、アミティ、は、狂ったかのように泣き始め、僕の胸ぐらを叩き始めた。
 
 
「そんなの・・シグじゃない!」
 
 
「僕はシグだよ?」
 
 
 
 
 
 
「ううん・・・違う・・・・この偽者・・シグを返してよ!!!!」
 
 
 
 
そう言われると頭が回らなくなってきた。
 
 
なんで・・僕はシグなのに。
 
 
ソレハ、ソンザイヒテイ?
 
 
思わずアミティの胸ぐらを掴む。 
 
 
 
「っ!なにするのっ!やめ・・・」
 
「消えてなくな
 
「(今だー!)」
 
「イ↑ーミ↓テーションwwwww」
 
 
 
 
なに!?
 
 
ガツーン!
 
 
 
 
 

 
 
 
 
「くぅっ!」
 
 
 
 
我を忘れていたシグはエコロの猛突進をもろに喰らい、吹っ飛ばされ、壁に強く叩きつけられた。
 
 
 
 
「ひゃっほい!大丈夫?アミティちゃん!」
 
 
「あれ、あたしのどうして名前を?」
 
 
「もちろん、一度会ったことがあるからだよ!」
 
 
「えっと・・覚えがないけど、キミ・・・誰?それに、どうしてここに・・・」
 
 
「うーん・・・エコロ、だね。偶然とおりすがったら
 キミがちょっと危険だった気がしたからなんとなく突っ込んでみたんだ。」
 
 
 
すぐに忘れ去られる存在のためか、エコロは名乗ろうか少し迷ったが、結局普通に名乗った。
 
そしてここに来た理由は「なんとなく」「偶然」と適当にはぐらかした。
 
 
 
「危ないから、とりあえず逃げなよ!」
 
「あ、うん、わかった!」
 
 
 
アミティは離れていった。
 
 
 
「・・・どうして邪魔をするの・・」
 
 
シグは赤い左目を血のように不気味に輝かせつつ、エコロに問う。
 
 
「そりゃあ、誰かが居なくなるのが楽しくないからさー!」
 
 
対してエコロは軽々しく答える。その狂敵に恐れの感情をも抱かず。
 
 
「コワすのって、そんなにイケナイことなの?」
 
 
「当たり前だよ。壊してばかりいたら、なにもかもいなくなっちゃう。
 そして最後には、キミが一人ぼっちになって求める居場所さえもなくなるんだよ。シグ君。」
 
 
「どうして僕を知ってるの」
 
 
「そりゃあ、一度は会ったことがあるからね。・・・覚えてないだろうけど。」
 
 
「・・・お前なんか知らない。」
 
 
「まあ、友達の記憶も失ったんだし、無理もないね。
 そもそも、ボクにはキミが本当にキミ自身か、わからないし。」
 
 
 
その一言で、シグは発狂した。
 
 
 
「!キミも僕を否定するんだね・・面倒な奴・・・先に消える?」
 
 
シグは水弾を飛ばしてきた。
 
 
「おっとと。」
 
 
 
エコロは軽くかわすが、水弾が着弾した地面には亀裂が生じている。かなりの破壊力だ。
 
 
 
「消えなよ。」
 
 
「最初からわかってたけど・・・到底、話が通じる相手じゃないね。
 やるしかないのかぁ~・・・」
 
 
 
エコロは「ふぅ」、と息をつくと、全身に魔力を込めた。
 
 
 
 
「僕を否定する奴・・・壊す・・・」
 
「さあ、かかっておいでよ!」
 
 
 
 
 

 
 
終わりなき悪夢は終わりを告げた。
 
閉ざされた未来が動き出す。
 
あとは破滅の運命を変えるだけ。
 
そしてその鍵を握るのは・・・
 
 
 
時空の旅人、ただ一人。
 
 
 
 
 
 
続く・・・
 
 
次回、戦闘シーン入ります