明け空の展望台

ヤフブロより移転。ぷよの二次創作ゲームを作る者です。よろしくお願いいたします。

独占欲 シグアミ

 
 
注意
・某フォロワーさんの影響をもろに受けて作った
・けど後半は流れに任せてただいちゃついてるだけ 
 
それでもいいですか?


 
 
ナーエの森 虫取りの帰り
 
 
 
シグ「・・・・
 
 
 
ゆっくりと、眠っている彼女の頬をなぞる。
 
「ん、」と声が聞こえた。眠っている間でも感触が分かるのだろうか。
 
けれどもその声が可愛らしい。
 
 
 
シグ「アミティ・・・いつもごめんね。
 
 
 
眠っている今なら彼女には聞こえないだろうと、小さく独り言を呟く。
 
 
 
シグ「いつもアミティのことを閉じこめちゃって。
   ムシはいつも捕った後はいつも逃がしてるけど、アミティは特別。
   アミティのことは、どんな珍しいムシよりも好き。
 
 
 
アミティの耳が小さくぴこぴこと動いているのが見えたが、構わず呟き続ける。
 
 
 
シグ「世界中を回っていろいろなムシを手に入れても、アミティだけは1人しかいない。
   だから、アミティだけは僕の虫かごからは逃がしたくない。離したくない。
   むしろ、もって狭い虫かごに閉じこめてしまいたい。
 
 
彼女の金色の輝く髪の毛をなぞりながら、言葉を連ねる。
 
 
シグ「アミティはとっても自由な子。
   かごから逃がしてあげる時、ムシは綺麗に飛んでいくけど、
   もしアミティをここから手放したら、とっても綺麗に飛んでいくのかな。
   けど、それってとっても、寂しいから、嫌だ。
   自分だけのものにしたい。
 
 
 
感情が抑えられなくなり、思わず彼女に抱きついた。
 
 
 
シグ「きっとこんな気持ち、アミティが知ったら嫌に思うよね。
   けど、いつかアミティにも、今度は起きてるときに話さないと・・・はぁ。
 
 
 
 
物憂げな顔で、ため息を1つついた。
 
 
 
アミティ「聞いちゃったー
 
 
 
シグの腕の中で眠っていたはずのアミティがいつのまにか目を覚まし、
 
至近距離で彼と目を合わせる。
 
 
 
シグ「あ、アミティ!?今のは、えっとー、
 
アミティ「シグは嘘が下手だね~
 
シグ「・・・ばれたー。いつから起きてたの?
 
アミティ「なんか、ごめんねって聞こえた気がしたから、気になってついつい。
 
シグ「最初から聞いてたんだ・・・
 
アミティ「あはははっ!!
 
 
 
 
むっとした顔のシグを見て思わずアミティは笑い出した。
 
 
 
 
アミティ「けど、シグの独り言、聞けてよかったな。
 
シグ「どうして?
 
アミティ「シグがあたしのことを本気で心配してくれてるってわかって、とっても嬉しかった。
     それにね、シグは自分で気づいてないのかもしれないけど、
 
 
 
彼女は体をくるんと動かして、シグの膝の上に座った。
 
 
 
アミティ「あたしは今もとっても自由で幸せなんだよ。
     シグの言う虫かごは、とっても広いよ。
     みんなとも沢山遊べてるから窮屈なことなんてないし、
     シグと一緒に居る時間は、とっても楽しいんだ。
     もっとシグのことを知りたくなるの。
 
シグ「ほんとー?
 
アミティ「うん。ほんと。
     だから、閉じこめてる、とか、気にしないで。
     それに、一番あたしを閉じこめそうな狭い虫かごがあるとしたら、
     それはきっとシグの腕の中だよ。
     とっても暖かくて、あたしにとっては特別な、幸せな居場所。
     自分から閉じこもりたくなるくらいだよ。
 
 
アミティはシグの両手をぎゅうぎゅうと握り、頬に当て、
 
その感触を心地よさそうに感じとっていた。
 
 
 
シグ「そう言ってくれると、とっても嬉しい
 
 
アミティ「どのみち、結婚したら同じ屋根の下で暮らすんでしょ?
 
シグ「そうだね・・・
   ん、今・・
 
アミティ「さ、もう夕方だよ!帰ろう!
 
 
 
急に立ち上がってシグの手を引っ張るアミティ。
 
笑顔でごまかしているけど顔がほんのり赤くてバレバレだ。
 
シグは再びむっとして、こう嘘をついてみた。
 
 
 
シグ「アミティ、帰り道はそっちじゃない
 
アミティ「うそー!?
 
 
 
叫びながら彼女はずっこけた。
 
 
シグ「けど帰り道、ただで教えたくない
 
アミティ「いてて・・どういうこと?
 
シグ「さっきの言葉の意味、教えるまでここから動かない
 
アミティ「そんなに気になるの?言わなくても分かるでしょ?
 
シグ「わかるけど、アミティの口から聞きたい
 
アミティ「そう?
     だから、あたしは、シグさえよければ、だよ?
     シグと将来結婚したいなって思ってるんだけど・・・
     シグは、どう思ってるの?
 
 
 
目をそらし、後半は小さな囁き声だったが、
 
シグの耳にはその一言一句はとてもはっきり届いた。
 
全部聞き終えると、シグの顔に満面の笑みが広がった。
 
 
 
シグ「結婚したい。今すぐでも
 
アミティ「今すぐは無理だけど・・・おとなになったら、ね!
 
シグ「うん。
 
アミティ「じゃあ、これ!ゆびきりげんまん!
 
シグ「嘘ついたら?
 
アミティ「泣く!
 
シグ「約束ー
 
アミティ「約束だよ!
 
 
 
寒い風が吹く中の約束。お互い、とても嬉しかった。
 
 
 
シグ「さあ、帰ろう。帰り道はあっち
 
アミティ「あれ?それさっきあたしが行こうとした道・・・
 
シグ「ごめん、さっきのは嘘
 
アミティ「ひどーい!おんぶして!
 
シグ「わかったー
 
 
 
おぶりおぶられたまま、言葉を交わす。
 
 
 
アミティ「ね、シグ。
 
シグ「どうしたの?
 
アミティ「同じ屋根の下で暮らすって、
     シグの言い方だと、同じ虫かごの中に入るって言うのかな?
     ちょっと楽しみになってきちゃったよ。
 
シグ「・・・準備してないけど、家、泊まっていく?
 
アミティ「いいのー?ありがと!
 
シグ「どういたしまして
 
アミティ「お料理とか、家事とか、いろいろ頑張らないと!
 
シグ「まだ気が早いよ
 
アミティ「そうかな?
 
シグ「今じゃなくてもいいから、大人になるのが近くなってきたら、
   少しずつ練習しよう?
 
アミティ「うんっ!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
終わり