明け空の展望台

ヤフブロより移転。ぷよの二次創作ゲームを作る者です。よろしくお願いいたします。

ちいさなきみと シグアミ

 
注意
・シグアミ以外キャラの扱いが少し雑
・だいへんしんについての独自の解釈あり
・ほぼ即席なので誤字脱字がある可能性あり、クオリティもあんまり高くない
・アミさんがちびになる
 
 


 
ある晴れた休日の真昼。ふれあい広場にて。
 
 
 
シグーぷよ勝負しようよ!」
 
「わかった」
 
「だいへんしんって、覚えてる?」
 
「えーっと・・・うん、多分」
 
「あれ、久しぶりにやってみたいんだ!」
 
「よし やろう」
 
 
 
そんないつものできごとが事の発端だった。
 
 
 
「よしっ!だいへんしん!」
 
「あ」
 
「1、2、3、4、5、6・・・ふぇありーふぇあー!」
 
「たいへんだー」
 
 
 
シグがだいへんしんと発火のタイミングを逃し、
 
その隙にアミティがちびへんしんで一気に畳み掛けて勝利。
 
そこまでは普通だった。
 
 
 
 
「いえーい!」
 
「うへー・・・」
 
「・・・」
 
「・・・・・・」
  
「・・・・。はれっ?」
 
「・・・アミティ、もしかして」
 
「・・・・・・・」
 
 
 
アミティがちびへんしんから元に戻らない。
 
シグもしばらくして気づく。
 
アミティの変身が解けないことにも、そして・・・
 
 
 
「・・・・ぐすっ」
 
 
 
彼女の瞳が潤み始めたことにも。
 
 
 
「どうしよー、どうしよー・・・うううぅぅ・・・」
 
「アミティ、泣かないで」
 
シグー、あたしどーしよー・・・うわぁぁぁん・・・」
 
「ないたらだめー」
 
 
 
シグは鞄に持ち合わせていたティッシュでアミティの目と鼻をこする。
 
 
 
「多分待ってれば治る。遊びに行こう」
 
「あそぶ?」
 
「いつもみたいに森で虫取りとか。どんぐりガエルを見に行ったり」
 
 
 
いつもどおりだったらここでアミティは「行こう、」と笑顔で返しただろう。
 
しかし今日の彼女は、
 
 
 
「どんぐりガエル・・・・!ケロティ兄さんにも会えるかな!?」
 
 
 
いつも以上に乗り気で、無垢な子供の如く瞳をきらきらと輝かせていた。
 
 
 
「う、うん。会えると思う」
 
「やったー早く行こうーーー!!」
 
「あ、待ってーーー」
 
 
 

 
 


 
 
 
 
とは言ったものの。
 
 
 
 
シグー待ってよー!」
 
「あ、ごめん」
 
「もー・・シグは歩くの速いなあ」
 
「アミティがちっちゃくなったからだと思う」
 
「そっかー・・」
 
 
 
 
アミティはきょろきょろと周りを見渡す。
 
見える世界がいつもよりも何十cmも低い。
 
 
 
「シグ、こっち来て」
 
「なに?」
 
「せーくらべしたいの」
 
 
 
とことことシグの正面に立って背を比べてみようとするが、
 
アミティの頭の高さはシグのお腹の高さ。いつも以上に差が大きい。
 
 
 
 
「シグって、こんなにおっきかったっけ?」
 
「いつもどおり」
 
「そーかなー・・?」
 
 
 

 
 
 
途中、アミティが何度か転んだりシグにおいていかれそうにはなったりしたが、
 
なんだかんだと言いいながらようやく森に到着した。
 
 
 
 
「はぁ・・・はぁ・・・・」
 
「アミティ、疲れた?」
 
「もうへとへと~・・・・・・」
 
 
 
アミティはぺたんと木陰に座り込んでしまった。
 
 
 
「アミティ、つかれた?」
 
「うん・・・」
 
「ここで休む?」
 
「おやすみ・・・なさい・・・・・」
 
「えっ」
 
「・・・すー・・」
 
 
 
シグの問いにも答えず、アミティは力尽きたかのように寝息を立て始めた。
 
 
 
「虫取りやろうと思ったけど・・・いいや、寝よう」
 
 
 
アミティに釣られたかのように、次いでシグも彼女の隣に座り、眠り始めた。
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
「・・ーグー・・・」
 
「・・・・ぐう」
 
「シーグー」
 
「・・・・ねむい」
 
「シーーーーグーーーーーーーッ!!!」
 
「うへ」
 
 
 
無邪気で明るい叫び声に目を覚ますと、目の前でアミティが顔を覗き込んでいた。
 
どれくらい寝たのだろうか、日は傾き始めていたが彼女はまだ小さいままだった。
 
 
 
シグは心配だった。これからずっと、もしアミティの身体が元に戻らなかったらどうしようか。
 
 
 
「あはっ、シグやっと起きたあ!」
 
「・・・あ、寝てたのか。アミティ、まだからだは戻ってない?」
 
 
 
シグはうっかり要らないことを言ってしまったと思ったがもう遅かった。
 
アミティは黙ってしゅんと落ち込む。
 
シグは覚悟を決めてアミティに話しかける。
 
 
「アミティ・・・もしこのまま元に戻らなかったら学校に
ケロロロ~ン♪>
 
「あ!ケロティにいさん!待ってーーー!!!」
 
「ケロッ!?」
 
「まてーー!」
 
「あ・・・」
 
「こっちにはおにおんがいる!かわいー!」
 
オーン!?(かわいいって言うなー!)>
 
「ふえええええ怒られたーー!シグ助けてーーーー!」
 
「え」
 
「メギドーン!」
 
 
 
おにおんの強烈な一撃が、何故かシグめがけてとんでくる。
 
 
 
「うへー」
 
「ばたんきゅう~・・・」
 
 
 
 
 
 
「・・・大切なこと、言おうとしてたのに。」
 
 
どんぐりガエルにセリフもシリアスも、華麗に掻っ攫われてしまった。
 
 
 

 
 
 
「アミティ、怪我は?」
 
「あたしは大丈夫!」
 
 
 
アミティはくるりと回って見せた。その姿が愛らしい。
 
 
 
「アミティ、今日はもう帰ろう」
 
「なんでー!あたしまだ遊びたいよう!」
 
「無理はだめー」
 
 
 
シグは子供をあやすように、アミティの唇に指で触れる。
 
 
 
「今日は急に小さくなっちゃったんだから、
 無理に体を動かしたらだ何があるか分からない。
 明日も学校はおやすみだから、そのときにまた遊べばいいし、
 変身の解き方も誰かに聞けばいい」
 
「よくわからないけど、たぶんそうだねー。
 でもちっちゃくなったのは、別にこのままでもいいかなー」
 
「・・・そう?」
 
「うん!なにも困ってないもん!」
 
 
 
言われてみれば、確かにそうだ。
 
幼い子特有の好奇心旺盛で無邪気な側面は強くなったものの、
 
大体はいつもの彼女と変わらないし、花咲く笑顔だってそのままだ。
 
ほとんど変身が解けないことを嫌に思う様子もなかった。
 
 
 
 
「・・・そうか。じゃあ、変身のことはあとで考えようか」
 
「うんっ!」
 
「とりあえず帰って・・」
 
 
 
と、森の出口の方向を向いたそのときだった。
 
 
 
 
「シグ、足音が聞こえてくるよ?」
 
「・・・ん、嫌な予感がする」
 
「待てーーーーーーい!!」
 
 
 
 
気づいたときにはもう遅かった。背後には闇の魔導師が息を切らして立っていた。
 
 
 
「ハァ・・ッ。やっと見つけたぞ!」
 
「めんどくさい」
 
「そう思うなら素直に渡してもらおうか」
 
「アミティは渡さない。ヘンタイ」
 
「違う!お前の魔力のことだ!
 というか誤解を招く発言はまだしてないぞ!」
 
 
 
ヘンタイ扱いもいつもどおり。
 
 
 
「シグにヘンなことしちゃだめー!ふれいむ!ふれいむ!」
 
 
 
アミティは小さいながらも一生懸命にシェゾに抵抗する。
 
 
 
「・・・で、なんだこいつは」
 
「小さくなってから戻らない」
 
「魔力と引き換えに戻し方を調べてやってもいいんだが?」
 
「別にいい。自分で考える」
 
「フン。やはりそう簡単には騙せないか。ならば・・」
 
 
 
シェゾの周囲に一気に闘気が集まる。直後、
 
 
 
 
「パライバ」
 
 
 
不意打ちが放たれる。
 
 
 
 
「・・・やるのか」
 
「どうしてもお前がほしいからな」
 
「ヘンタイ」
 
「フン。なんとでも言うがいい・・・これならどうだ!」
 
 
 
そう言うと一気に間合いを詰め、シグに斬撃を放つ。
 
 
 
「闇の剣よ・・・切り裂け!!」
 
「うっ」
 
 
直接は当たらなかったものの、剣から放たれる闇の力に直撃し、
 
近くの木に背中を打ちつけた。
 
 
 
「勝負あったか?」
 
「まだだよっ!」
 
 
シグにゆっくり近づくシェゾの前に、アミティが躍り出る。
 
 
 
「アミティ、あぶないよ」
 
「シグのほうが危ないもん!」
 
「ほう、その姿でやる気か。・・・いいだろう、来い。効かないだろうがな」
 
「そんなことないもん!」
 
「ふぇあり~~・・・・・・」
 
 
 
アミティはチカラを溜め始める。
 
すると、彼女の周りに強い光が集まり始めた。
 
蝶のような形の輝きが彼女を包み込み、膨らみ、そして・・・
 
 
 
「フェアーーーー!!!!」
 
 
一直線にシェゾへ放たれる。
 
 
 
「小癪なっ!!?」
 
 
 
シェゾは踏ん張って受け止めるが、急に膨らんだ彼女の魔力に戸惑い耐えられなかった。
 
 
 
 
「げほっ・・しまったな・・・」
 
「なんだか調子が出てきたよ!今ならヘンタイお兄さんも倒せちゃいそう!」
 
 
 
アミティは自信満々の表情でシェゾに言い放った。
 
 
 
「今日は終わりだ。調子が出ないし、・・なにより2対1で勝てるはずないからな。」
 
「そっか。じゃあまたね!」
 
「次会うときには魔力をもらうからな!」
 
 
 
シェゾはよろめきながら立ち上がり、去っていった。
 
 
 
「シグ、大丈夫!?」
 
「大丈夫、それより・・・」
 
「ほえ?」
 
「アミティ、元に戻ってる」
 
「あ、ほんとだー!!でも、いつ戻ったんだっけ?」
 
「さっき。魔法を使った時」
 
「そうなんだー。でも、なんで急に元に戻れたんだろうね?」
 
「知らない」
 
「そう?・・・まあいいや!幼いところを見られてちょっと恥ずかしかったけど、
 今日は1日楽しかったし、結果オーライ、バッチグーだね!」
 
「ばっちぐー」
 
 
アミティのピースサインに釣られて、シグもピースサインを作った。
 
笑顔もお互いにこぼれる。
 
 
 
「さあ・・・もう日もくれてきちゃったね。帰ろっか!」
 
「うん」
 
 
 
今日も二人は手をつなぎ、森を歩いて家路に着く。
 
 
 
 
「ありがと、シグ。ちっちゃなあたしと遊んでくれて。とっても嬉しかったよ!」
 
「それならよかった」
 
「今度シグがちっちゃくなったら、あたしがいっぱい遊んであげるね!」
 
「えっ」
 
 
 
終わり