明け空の展望台

ヤフブロより移転。ぷよの二次創作ゲームを作る者です。よろしくお願いいたします。

endless nightmare 2 ぷよ

注意
・当然だけど前回見てないとわからない
・話の向きが急に240度変わります
・茶色嵐ワールド全開
・そのためいつもどおりの三人称目線になります
 
 
それでもよいのならば、どうぞ。
 
 


 
 
 
 
 
 
「ふぅ、楽しかったぁ~・・・」
 
 
 
ある時空・・・いや、時空の隙間・・・・
 
本来誰も存在するはずのないところに、ただ一人浮遊している者がいた。
 
彼はエコロ。以前地球をぷよで埋め尽くしてしまおうと
 
軽い悪戯心で大きな悪事を働いたり、
 
記憶喪失後は皆を楽しませて喜ばせることを望みとしていた、時空の旅人だ。
 
彼はとてもたくさんの時空を旅して、
 
その途中で、悪であったころの昔の記憶を思い出すが、
 
それでも悪戯を考えず、皆を楽しませるということだけを生きがいとして、
 
誰に忘れられても、さまざまな時空を旅し続けた。
 
ついでに土産代わりに魔力を意味もなく溜め込んでいた。
 
 
 
「今度はどの時空を旅してみようかなあ・・・
 そうだ、久々にプリンプにでも戻ってこようかな!皆覚えてないと思うけど!」
 
 
 
そう言いながら、エコロはプリンプタウンにつながる場所へ近づいた。
 
 
「おや・・・?」
 
 
そのとき、彼は何かに気づいた。
 
 
「時空を超えた先から・・・圧力??」
 
 
 
彼は今プリンプで大きな事件がおきていることを知らない。
 
しかし、それによる時空の歪みから生じる力はなんとなく感じ取れていた。
 
 
 
「これは・・・どういうことだろう・・・」
 
 
 
エコロは迷った。行くか行くまいか。
 
けど、彼の性格からして、答えなんて最初から知れたものだった。
 
 
 
「よーし、何があったのかわからないけど、とりあえず行ってみよーぅ!」
 
 
 
 
エコロは勢いよく時空の境界へ突っ込んだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「イェーイ!着いたーーー!ただいま僕らのプリンプタウーーーン!」
 
 
 
プリンプへ到着した直後、エコロは懐かしさと喜びのあまり叫んだ。
 
 
だが、その声はこだませず、虚空へと消え行くのみだった。
 
 
 
「・・・静かだね。ここ、ほんとにプリンプ?」
 
 
 
エコロはちょっぴり心配になって周りをキョロキョロ見回した。
 
 
 
「えーっと、ここは・・・ナーエの森だっけ。そして時間は・・
 ああ、曇ってるからわからない。・・・明るいから多分お昼だね。」
 
 
 
彼は灰色の空を見ながらつぶやいた。
 
彼は時間を確かめるとき、大抵は陽の方向を見るのだ。
 
時空を旅して手に入れた知識の一つである。
 
 
 
 
「ぅーん、気になるけど、まずは変身!」
 
 
 
エコロは生命体の姿から、人に似た姿に変身した。
 
いわゆる「かわったエコロ」という奴だ。
 
怪しまれないようにしようと考えてたらなんとなくこの姿に変身できるようになったらしい。
 
 
 
「よーし、まずはみんながいる魔導学校へレッツゴー!」
 
 
 
エコロは元気良く、しかしながら物凄いスピードで、
 
「バビューン」という音を立てて魔導学校へ突っ走った。
 
 
 
 
 
魔導学校に到着した瞬間、彼は唖然とした。
 
 
 
「おや・・・・・・・」
 
 
 
彼が見た光景は、
 
倒れている人々、崩壊した建物、瓦礫の山、そしてなぜかひび割れて裂けた灰色の空・・・・
 
あまりに見るも無残な光景だった。
 
 
 
 
「あら~・・・滅茶苦茶だね~・・・一応確かに魔導学校ってのはわかるけど・・・」
 
 
 
エコロはその無残な光景に対し、頭を掻いて失笑した。
 
残酷に見えるかもしれないが、純粋で無垢でポジティブなだけである。
 
 
 
「うーん、とりあえず片っ端から何があったか聞いてみようかな。」
 
 
エコロは一番近くで倒れていたクルークに話しかけた。
 
 
 
「えーっと・・・・誰だっけ。むらさき めがね さん・・?」
 
 
返事はない。
 
 
「めがねさん・・・?めーがーねーさーんーーーー?」
 
 
 
何度呼びかけても返事は来ない。
 
気になって彼の心臓に手を置いてみた。
 
・・・反応はない。
 
 
 
「・・・意識がない ただのしかばねのようだ」
 
 
 
エコロはつぶやき、ため息をついた。
 
そして座って数秒の黙祷を捧げたあと、立ち上がった。
 
 
 
「うーん・・・一人一人生きてるか調べるのも面倒だなあ・・・
 こういうときは!」
 
 
 
エコロは集中力を高めて、ピコピコととんがり帽子の先端を揺らした。
 
レーダーのようなもので、生き物の反応を調べる特殊な魔法だ。
 
 
 
「・・・・ダメかぁ・・・」
 
 
生き物の気配は全くない。エコロはまた、ハァーっとため息をついた。
 
 
「誰も居ないんじゃ・・・寂しいし、楽しくないなあ・・・。」
 
 
 
エコロは皆と一緒に居るのを好む人物であるため、
 
一人ぼっちはあまり好きではなかった。
 
 
 
「まあ、りんごちゃんレーダーが反応しなかったのは救いだけど・・・」
 
 
 
 
りんごちゃんレーダーは彼がりんごの気配だけを察知する、結構特殊な魔法。
 
りんごは自分が時空を飛んでも覚えててくれるし、唯一わかりあえる友達でも会った。
 
そのため、この屍地獄の中にりんごがまぎれてなかったのは、
 
彼にとってはこの光景の唯一の救いともいえる。
 
 
 
「うーん、でもなんか圧力というか、歪んだおかしな感覚もするし・・・
 もうちょっと何か探してみよう!」
 
 
 
エコロは持ち前のポジティブさで気を取り直して、
 
時空の歪みを感じる方向へと、破壊された土地を歩き始めた。
 
 
 
 
 
続く・・・