明け空の展望台

ヤフブロより移転。ぷよの二次創作ゲームを作る者です。よろしくお願いいたします。

endless nightmare 5 ぷよ

 
 
「・・・・」
 
 
「・・・・ふっふふーん♪」
 
 
 
黒い姿に変貌したシグと、エコロは睨みあう。
 
シグは人を殺す目で、エコロは何かを楽しむような目で。お互いの行動を探っている。
 
 
 
「・・・シアン」
 
 
「ライアー↓」
 
 
 
戦いは始まった。青い水と炎の弾丸が衝突し、周囲を水蒸気が包む。
 
 
 
「周囲が見えないなあ~・・・」
 
 
 
エコロは東西南北、四方八方に感覚を研ぎ澄ました。
 
だが・・・・
 
 
 
 
 
「あばばばばば!?」
 
 
 
 
攻撃はその八方の方向からは来なかった。
 
 
上空から声が聞こえた直後、大量の水弾がマシンガンのように降り注ぐ。
 
 
間一髪、攻撃をかわしたエコロが上を見ると、そこにはシグの姿。
 
 
 
 
 
「・・・死ねぇっ!」
 
 
「おーっと!シューティングスター!」
 
 
 
シグは爪を振り下ろすが、基本的な物理攻撃のモーションならエコロは何百回も見てきた。
 
難なくひらりとかわし、流星の光を放つ。
 
 
 
 
 
「っく!!!」
 
 
「まだまだー!フェイクスピーチ!」
 
 
「喰らってたまるか!」
 
 
 
 
シグはエコロが放つ星の嵐からなんとか脱出した。
 
 
 
 
 
「ふーん・・・やっぱり一筋縄ではいかないんだねー・・」
 
 
「・・・厄介な奴」
 
 
 
エコロが余裕の表情を浮かべる反面、
 
シグの心は闇と憎悪、破滅で満たされていた。
 
 
 
 
「・・・消してやる」
 
 
 
シグはそうつぶやいた瞬間、紅の左目から異様に鋭い眼光を放った。
 
 
 
 
「!」
 
 
 
その瞬間、エコロの表情に余裕がなくなった。
 
 
動きを邪気眼で封じられてしまったのだ。
 
 
 
「嫌な奴・・・壊してやる」
 
 
 
シグは徐々に距離をつめ、エコロに爪を向ける。
 
 
 
「あっはは・・笑えないね・・」
 
 
「終わりだ」
 
 
 
シグはザックリとエコロを引き裂いた。
 
すると、エコロの体は一瞬にして裂かれ、消滅した。
 
 
 
 
「・・・終わりか」
 
 
 
シグはエコロの消滅を確認し、立ち去ろうとした。
 
 
だが・・・・
 
 
 
「ラブリートリック!」
 
 
「グアァァァ!」
 
 
 
突如、白い極光がシグに襲い掛かった。
 
 
 
「あっははーびっくりした!ボクが実体のない生命体でよかったよー!
 それでも直前にこの姿に戻れてなかったら死んでた!危ない危ない!」
 
 
 
シグが振り返ると、そこにはいつもの生命体の姿に戻ったエコロが笑っていた。
 
 
 
「確かにこの手でコワしたはずなのに・・・・まだいたのか」
 
 
「そりゃあ、ボク人間じゃないしー!」
 
 
「・・・もう許さない。跡形もなく消し飛ばしてやる」
 
 
「フフッ、させないよ。」
 
 
「ハイドレンジア!」
 
 
「お返しだ」
 
 
 
 
エコロは、彼にしては珍しい邪気のこもった低い声を発し、
 
りんごがいつも攻撃を跳ね返すときに展開していた六角形の魔方陣を作り出した。
 
その方陣はシグの非情の弾を跳ね返す。
 
 
 
「っ!」
 
 
ハイドレンジアが反射してシグに命中すると、凄まじい爆発で一瞬何も見えなくなった。
 
 
 
「くぅ。凄い衝撃だねぇ・・・。?おや?」
 
 
爆発の直後、シグの姿は消えた。どこにもいない。
 
逃げられたわけでもないんだし、どこかに居るはず。
 
 
 
 
「・・・」
 
 
エコロはさっきのことを思い出し、上を見る。
 
しかし、シグの姿は見えず、攻撃の気配もない。
 
 
 
 
「どこへ行ったんだ・・・」
 
 
 
しばらく待つと、突然、彼は何か足を掴まれた。
 
 
「!?」
 
 
反射的に地面を見ると、そこにはシグの右手が。シグは影の中に隠れていたのだ。
 
エコロはそのまま、自身の影に引きずられていく。
 
 
 
「くぅ・・・こういうときは!」
 
 
 
エコロはまた人間の姿に変わり、魔法を唱えた。
 
 
 
 
「ラブリートリック!」
 
 
人間の姿のときのラブリートリックはさっき出した光魔法のラブリートリックとは似も似つかぬ技。
 
彼は足から大量の星と煙を上げながら、ロケットの如く宙へ飛び上がった。
 
つられて、影の中に隠れていたシグが引きずられる。
 
 
 
「ゲホッ!・・しまっ・・・・」
 
 
「ていやっ!」
 
 
 
シグが動揺している間に、エコロは空中で一回転して足を掴むシグの手をほどいた。
 
 
 
「チャンスだ!サイン!コサイン!タンジェント!」
 
 
「ぐああああああっ!」
 
 
 
そして空中で無防備になっているスキを生かし、りんご直伝の電気魔法を放つ。
 
それはテンポ良くすべて命中し、シグを荒廃した大地へとたたきつけた。
 
 
 
 
「これでとどめぇーい!イーミテーション!」
 
 
 
エコロは動けないシグへと、トドメの一撃の猛突進(というよりかはダイブ)を喰らわせた。
 
 
周囲に砂煙が舞う。
 
 
 
 
 
 
「よーし!これでやったよね!」
 
 
 
エコロは勝利を確信しつつも、
 
 
念のためシグの様子を確認するために、砂煙が消えるのを待っていた。
 
 
そして、数秒後。
 
 
砂煙が消え、エコロが見たものは・・・・
 
 
 
「・・・!?」
 
 
「ヨクモ・・・ヤッタナ・・・・」
 
 
 
全身血まみれでありながらもその場に立ち尽くすシグの姿。
 
常人では既に倒れているはず、なのに・・・彼はまだ立っていた。
 
 
 
 
 
「攻め切れなかったのかな・・・」
 
 
「滅ぼす・・・憎き敵・・・ウアァァァァァァ!」
 
 
 
 
 
 
続く・・・